<サイキン、マドカハシドノコトバッカリ>
モーツァルトが遊び仲間に愚痴っている。
<マドカ、シドノコトスキ。イイジャナイ。>
ゴールデン・レトリバーがあまり関心がないように答えた。
<デモ、シドガクルマデ、ボクガイチバンダッタノニ・・・>
<シドモ、タブン、マドカノコトスキ。イイジャナイ。>
と、ブチがボールを噛みながら口を挟んだ。
<タブン?ドウシテ?>
<ダッテ、マドカガシドノコトサワルト、シド、コマッタカオスルヨ。スキ、ノ、キモチ、デテルノニ。>
ボールをレトリバーに放る。
<シドガコマルト、マドカモコマルヨ。ジャア、ボクガ、マドカガシドヲサワラナイヨウニ、ヒッパレバイインダ。>
<ソンナコトヲスレバ、キットマドカニ、キラワレルヨ>
ボールはレトリバーから柴犬に廻された。
<・・・ジャアドウシタラ、マタボクガ、イチバンニナレルノ?>
<バカダナ、オマエ>
柴がボールをセッターに投げる。
<マドカヲシドノホウニ、ヒッパッテイケバイインダヨ。>
バウンドしたボールをキャッチしながらセッターが答えた。
<ソウシタラ、マドカハ、スゴクヨロコンデ、>
ボールはブチの方へ弧を描いて飛んでゆき、
<オマエヲ、タクサンホメテクレル。>
ブチが取り損ねたボールをダックスが器用に掠め取った。
<ナニ、オマエ、シドノコト、キライナノ?>
ダックスが鼻をつかってボールを空高く上げながらモーツァルトに尋ねる。
<?スキダヨ?ドウシテ?>
奇麗なジャンピング・キャッチでボールを捕らえたレトリバーが獲物を銜えながら言った。
<・・・ジャア、イイジャナイ。>
「皆さん、一緒にお昼にしましょう!」
マドカが呼ぶ声がする。隣には士度もいる。
ボールが宙を舞った。
その下を潜り抜けるように、六匹は二人のほうへ一目散に駆けて行った。
Fin.
士度の飲みかけの紅茶をあからさまに嫌がるモーツァルトって、結構イイ性格してますよね(笑)
モーツァルトにとってやっぱりマドカ嬢は一番、士度は・・・恋敵?でもやっぱり士度もスキってことで☆