Trick orTreat...?

〜狼さん羊さん番外編ver.Halloween〜



「とりっく おあ とりーと!!」


「・・・・・・・・・・・」


夕食の後片付けを済ませた羊が、珍しく早々に風呂を使っていると思ったら・・・・
居間で本を読んでいた狼の前に飛び出してきたのは、魔女の帽子を頭に被り、ピンクサテンの短すぎるエプロンドレスを身に着け、箒を片手に持った濡れ羊でした。


「お菓子をくれなきゃ、いたずらします・・・・!!」


「・・・・・・・・・・・・」


耳をパタパタと嬉しそうに動かしながら、尻尾をピコピコと楽しそうに振りながら、ソファに座る狼の目の前にやってきて両手を差し出してきた羊のエプロンドレスからは彼女の真っ白な手足が無邪気に伸び――おまけに今日の彼女からはいつになく甘い匂いが漂ってきます。


「・・・・・・・・羊。」

「――はい!!」


狼は読書用の眼鏡を片手で外しながら深い溜息を吐きましたが、狼に呼ばれたのが嬉しいのか、羊からは元気なお返事が返ってきました。


「・・・・その帽子はなんだ?」


狼が羊の頭の上にチョコンとのっている帽子に視線を向けながら問いかければ、


「これは狼さんの先生が、“十番目の月の最後の日に被ればきっととても可愛く見えますよ?”と言ってくれました・・・!!」


――今日がその最後の日です・・・!!


羊は僅かに頬を染めながら、どこか恥ずかしそうに狼をチラリと見ながら、やっぱり元気に答えました。


「・・・・・・・・・・・・」


優雅に不敵に微笑む師匠の姿を頭痛と共に思い浮かべながら、狼は溜息混じりに次の質問をしました。


「そのエプロンはどうしたんだ・・・・?」


買ってやった覚えのない、愛らしくもかなり扇情的なその衣装に眉を寄せながら狼が問えば、


「この間、お姉様が玩具屋さんに連れてってくれて・・・“くじ引き”という紙を引いたら、カランカランおめでとうございま〜す!!ってこの可愛いエプロンをくれました・・・!!お姉様はオモチャを買っていましたけれど、私にはまだ早いからって・・・・オモチャは黒狼さんに買ってもらいなさいって・・・でも、これを着るだけでも狼さんはきっと“イチコロ”だって、お姉様が言っていました・・・!!」


でも、“イチコロ”ってなんですか・・・?――大きなおめめをパチパチさせながら首を傾げる羊から紡がれた言葉の数々に、狼の額に青筋が浮かびました――そして恐らくは、いや絶対に“大人の玩具屋さん”に――何も知らない白妹羊を連れ込んだあの黒姉羊が怪しい玩具片手に妹と楽しげにお喋りしている様を想像すると、もはや脱力するしかありませんでした。


「・・・・・・・・・・・・・・」


狼がソファに座ったまま羊の手を取り自分の方へ引き寄せると、羊は手にしていた箒をパタン・・・・と床に倒し、目を細めながら狼を見下ろしてきました――そして彼女の細い手に鼻を寄せてきた狼に擽ったそうな表情を向けました。


「・・・・今日はどうしてお前の躰から甘い匂いがするんだ?」



狼の言葉に羊のお耳が待ってましたとばかりに揺れました――そして彼女は得意げに答えます。


「オモチャの代わりに、私は魔法のミルクを買いました・・・!!お風呂から上がった後にこのミルクを体中につけると、なんと苺のお味と香りがするんですって・・・・!!私がこれをつければきっと黒狼さんも尻尾をパタパタってお姉様が・・・・・?」


しかし羊が狼の方を見ると、狼は羊の手を離さぬまま無表情ジッと彼女を見上げていました。
自分の想像とは違い尻尾も耳もちっとも揺らしていない狼の姿に、羊の心はツキリと疼きました。


「・・・・・・・!あ、あと・・・・今日はカボチャのお祭の日で・・・・えっと・・・あれ?魔法使いさんのお祝いの日だったかな・・・・で、でも・・・・!!いつもと違う格好をして、“お菓子をくれなきゃ、いたずらするぞ”って言えば、良い仔はお菓子が貰える日なんです・・・・!!」


羊は自分の気持ちを誤魔化すようにわざと明るく少し早口で喋りながら、狼に向かってもう一度微笑みかけました――


――お菓子をくれないと、いたずらしちゃいますよ?――


――しかし狼はフン・・・・と一度鼻を鳴らしたかと思うと・・・・どこか冷たい声で言い放ちます。



「菓子はやらねぇ――“イタズラ”とやらをしてみろよ?」


「え・・・・?」


狼からの思ってもみなかった言葉に――羊は一瞬不思議そうな顔をすると、その愛らしい貌は見る間に不安そうに曇り、可愛いお耳が戸惑うようにフルリと揺れたかと思うと、ついにはペタン・・・・頭の上で垂れてしまいました。


「い、いたずらなんて私・・・・どうしたら・・・・」


羊は“悪戯”なんてしたことがありませんでした――それにお祭りの日にこの言葉を唱えればお菓子を貰えるものだと単純に思っていたので、悪戯をしなきゃいけないなんて考えてもみませんでした。


「お、狼さん・・・・・・」


――私、どうすればいいですか・・・・?

――その大きな瞳一杯に涙を浮かべながら、羊は縋るように狼に尋ねました――魔法も使える狼は何でも知っています――羊が分からないことを訊けば、面倒くさそうにしながらも、狼はいつもきちんと教えてくれます。


「そうだな・・・羊、俺の言う通りにできるか・・・・?」


狼の言葉に羊はコクコクと一生懸命頷きました――そんな羊の美味しそうな姿に、狼の犬歯がギラリと光ったことに、可哀想な羊はまるで気がつきませんでした。



「ほら・・・・もっと奥まで銜えて舌を使え・・・・・」


「ふ・・・・ァ・・・・は・・・はい・・・・・ッ」


チュプチュプと拙くぎこちない動作で、それでも羊はソファの前に跪き懸命に――狼に初めてのご奉仕をしていました。
羊の小さなお口に入りきらないくらい立派な狼の楔は、羊が舌を這わす度に少しずつ硬く大きくなっていき、最初から涙目の羊を更に困らせました。


(歯は立てちゃ・・・・ダメ・・・・お口でお掃除するように・・・・全部綺麗に・・・・・・っ・・・・)


羊は言われたことを頭の中で繰り返しながら、一生懸命舌と口を動かしました――狼さんがいいと言うまでこの“いたずら”をちゃんと上手にできたら――狼さんは“ご褒美”をくれると言いました。けれどもし歯を立てたり
途中で止めたりしたら――狼さんは“お仕置き”をすると言いました。羊はその“ご褒美”も“お仕置き”もどんなものか分かりませんでしたが――ただ“お仕置き”は酷く叱られることだということは知っていました。

怒った狼ほど、羊にとって怖いものはありませんでした――なので羊はできるだけ慎重に、できるだけ丁寧にゆっくりと――狼の分身に舌を這わし続けました。


「・・・・・ッ・・・・・・」


時折狼が漏らす低い溜息や、珍しくユラリと揺れるフサフサの尻尾、羊の口が上下する度にピクリと動く立派なお耳――そんな、普段はあまり目にしない狼の反応に、羊の心が躍ったのも確かでした。
羊が頑張れば頑張るほど、狼の耳や尻尾は気持ち良いと反応してくれます――羊はそれがとても嬉しくて、狼にもっと喜んでもらいたくて――それはそれは従順に狼の先端から流れ出てくるものを舐めとっていきました。そしてやがてそんな嬉しい気持ちで羊の心は一杯になって――自分の躰も、狼と同じくらい熱くなっているのを羊は感じました。


どのくらいそうしていたでしょうか――羊の舌も唇も痺れてしまい、その愛らしい顔は涙で濡れ、火照る躰が羊の思考をも奪い去ろうとしていたその頃――羊は頭上で狼が何かを言うのが聞えましたが、よく聞えなかったので朦朧とした意識の中、視線を上げると――


「ん・・・ッ・・・・ふ・・・・・・狼さ・・・・ぁ・・・・・――ッ!!??」


羊の喉の奥に熱を孕んだ白濁の液体が勢い良く流れ込んで来たので、吃驚した羊は思わずその可愛いお口を狼の象徴から離してしまいました。
すると、迸る熱はそのまま羊の小さなお顔を白く汚し、長く美しい黒髪にも飛沫が飛び散りました。


「あ・・・・ァ・・・・・・・・」


あまりにも突然の出来事に羊はショックを受けたように固まってしまいました――最後の最後で、自分はお口を離してしまいました。全部お口で綺麗にしろと言われたのに――終には沢山零してしまいました。
荒く、浅く息を吐きながら俯いている狼の表情は見えません――羊は恐怖で真っ青になりながら、せめて飛散してしまったものだけでも綺麗にしようと、自分の顔を拭くのも忘れて狼の分身に再び手を伸ばしましたが――

「お、狼さん・・・・!!ごめんなさ――キャンッ!!」


羊はその長い黒髪を徐に掴れ顔を引き上げられて――冷酷な表情をした狼の射抜かれるような視線にさらされ、掴れた痛みなど飛んでしまうほどの恐怖に心臓を抉られる思いでした。


“全部飲め”と言っただろう・・・・――


狼の言葉と視線の冷たさに羊は凍りつきながら、その愛らしいお耳を精一杯伏せ、「ごめんなさい・・・・ごめんなさい・・・・」と消え入りそうな声で呟くしかありません。――すると狼は小さな溜息を吐きながら、羊の手を引いて唐突に寝室に向かいました。
大きなおめめに溢れる程の涙を浮かべ、ビクビクオドオドしながらされるがままの羊に狼はベッドの前で振り返ると、

「・・・・・ま、初めてにしちゃ、上出来だったな・・・・」


そう言いながらまだ白く濡れたままだった羊の顔を、タオルでゴシゴシと拭いてくれました――羊のお耳がピクン・・・と小さく揺れました。


「・・・・狼さん・・・・怒っていませんか・・・・?」


狼が着ているシャツの裾を幼子のように掴みながら、羊は救いを求めるように訊いてきます。


「・・・・あぁ、怒っちゃいねぇよ・・・・・」


狼は羊の頭を撫でながら、静かに言います――羊は心の底から安堵して、ホッと溜息を吐きました――しかし・・・・・・・


「――??!!えっ・・・・・?」


トンッ・・・と狼に肩を一押しされたことで、羊はポフン・・・・とベッドに沈んでしまいました。


羊がそんな状況を理解する間もなく、狼は羊に乗り上げ、片手で羊を押さえつけ、片手で己のシャツのボタンを外しながら言いました――


「怒っちゃいねぇが・・・・お前、どっちにしろ最後までできなかったから、“お仕置き”・・・だろ?」


「〜〜〜!!!?ア・・・・や・・・・――ッ!!」


羊はあっという間に唇を塞がれ――やがて魔法のような速さで羊を丸裸にしてしまった狼の悪戯な指の美味しい餌食となってしまいました。



「――ァ!!嫌ァ・・・・・ッ!!お願ッ・・・・・で・・・ッ・・・・・!!も・・・ャ・・・・・ア・・・・・ん――ッ!!」


羊は自分に勝手に味付けをしたことも責められました――躰の中心から“イチゴの味”がしなくなるまで、狼の長い舌で弄ばれ、快楽をまだ拾いきれない紅い核を剥かれ、過ぎた快感に涙を流しながら許しを乞う羊の涙が枯れ果てるまで、舌で、指先で、唇で蹂躙され続けました。
そして狼ははちきれんばかりに熟れてしまった羊の乳房を揉みしだきながら、痛みと快楽の狭間で啼き続ける彼女の躰の隅々に所々残る“イチゴ味”に所有の印を落としながら――直ぐに再び硬さを取り戻してきた自身で、すでに蕩けるほどにぐっしょりと濡れている濡れ羊を串刺しにしました――


「・・・・・・!!―――!!」


羊は狼にしがみつきながら声にならない悲鳴をあげると――やがて揺さぶられ続けた彼の膝の上で、内側から感じた彼の凶暴な熱に犯されながら――とうとう意識を飛ばしてしまいました。




羊をたっぷり美味しく頂いた狼は、満足げに彼女の横にゴロリと横になりました――しかしふと何かを思い出したように狼はベッドの脇にある小さな箪笥の引き出しを開けると、そこからオレンジとブラックを基調に華やかに飾られたお菓子の包みを取り出しました。


「・・・・・・・・・・・・・・・・」


そして狼は、羊が大好きな金平糖や色鮮やかな柔らかい飴、キラキラと光る紙で包まれたチョコレイト――その他羊が目を輝かして喜びそうなお菓子が詰まっているその包みを、今は気を失ったように眠る羊の枕元に、そっと置いてやりました。


「・・・・・・・・ん・・・狼・・・・さ・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・」


そして狼の名を呼びながら無意識に寄り添ってくる羊をその腕の中に納めると――彼もまた眼を瞑り――羊がいつの間にか作ってベッドサイドに置いてあった小さなランタンの光を意識の奥で感じながら、イチゴの香りの夢の中へと、その身を委ねたのでありました。




Fin.

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