hangover, groover


「大丈夫かい、士度君・・・?」

 タクシーでも呼ぼうか?――心配そうに覗き込んでくるマスターの提案を軽く手を振ることで断ると、士度は大きく息を吐きながら勢いに任せて立ち上がった。

「――ッ!!」

 普段は滅多に感じたことのない嫌な眩暈が彼を襲い――思わずグラリと揺れた大柄な士度の体躯を波児は慌てて支える。


「・・・・泊まりってことにしておくかい?」


――時間も時間だし・・・・このまま帰ったらきっとマドカちゃんに怒られちゃうよ?


 このまま帰らなくてもどのみちマドカの雷は落ちることだろう――だいぶ前から同伴を約束していたチャリティーコンサートが行われるその日の朝まで飲んだくれていたとなると・・・・・。
珍しく酔いが回っている様子の士度は同じように波児の提案を断ると――今まで座っていたテーブルに忌々しげに視線を落とした――数えるのも憚られるほどの数多のショットグラスが所狭しと並べられたり無造作に転がっていたり。そんなグラスの間に苦悶の表情を浮かべながら撃沈しているウニ頭の姿と、ソファの上には何の夢を見ていることやら、幸せそうな赤ら顔でだらしなく身を横たえている銀次の姿――その隣には銀次に足置きにされながらも一向に起きる気配無く気を失っている雪彦が・・・・・。逆側のソファで丸まっている毛布の中から、夜明けの空気の冷たさに震えた仲介屋の小さなクシャミが聞こえてきた。

 久し振りにこのメンバーで仕事をすることになったのはよかったのだが――提示された潜入先がすこぶるよろしくなかった。今回のターゲットはかの有名な新宿二丁目にあるゲイ・バー内の金庫の中。誰がそこの店長を酔わせてたぶらかして金庫の暗証番号を聞きだすか――誰があの強烈な界隈に潜入するのか――つい数時間前まで、男たちはその事で大いに揉めていた。依頼の内容を事前に察した花月はそうそうに雲隠れ。仲介屋の号令でHONKY TONKの扉をくぐるまで事の詳細を知らされていなかったGBと士度と弥勒が貧乏クジを引く羽目になってしまったのだが――潜入に必要なのは三人――店長のお気に入りになる役、ターゲットを確保する役、見張り役。


――・・・・・俺は降りる。――逃げるのか猿マワシ!!――妻帯者だぞ・・・・一番縁遠いだろうが!!――僕らにも縁はないところなんですけれど・・・――でもでも!!士度って男の人にももてそうじゃな・・・・ギャッ!!何すんだよ士度〜〜!!――でも確かに・・・・士度君のそのガタイはソッチの人達にも人気がありそ・・・・何よ、そんなに恐い顔することないじゃないvv――だったら柾にでも頼めば早いだろうが!!――柾なら面白がってやりそうだけど・・・別の仕事で出払っていて・・・卑弥呼ちゃんは女の子だから無理だし、ジャッカルは問題外、花月君はさっさとどっか行っちゃうし・・・・となると・・・・――・・・・・・もう帰るぞ。――・・・・・待てよ、てめぇ!!都合の悪い仕事は切り捨てるっていいご身分だよな!!――4人もいらねぇって言ってんだろ!!――男性相手のこんな仕事をするのは僕らにも・・・・・――じゃあじゃあ誰が抜けるかジャンケンで決めよっか!――・・・・・!!銀次、そんな温いこと言ってんじゃねぇ!!


やっぱ男が勝負と言ったらこれだろうが・・・!!――ドン!!・・・・と騒がしく音を立てながら蛮が奪還屋護り屋が席を連ねているテーブルの上に置いたのは・・・・・ウォッカ、テキーラ、ウィスキー、ジンにブランデー果ては焼酎etc.アルコール度数が半端なく高いボトルの数々。

「お前、今まで俺に飲み比べで勝てた試しがねぇだろう・・・・・」

 席を立ちかけていた士度は蛮からの無謀な挑戦に呆れながらも、とりあえず再び腰を下ろす。
雪彦と銀次も「士度が相手じゃねぇ・・・・?」――と顔を見合わせる始末なのだが・・・・・


「・・・・齢とると酒に弱くなるってなぁ?特に猿マワシの場合は嬢ちゃんとガキどもに骨抜きにされちまって昔ほど飲めねぇんじゃねぇか・・・・・?」


「――!!」


――と、ここで大人気なく挑発に乗ってしまったのがどうもいけなかったらしい。士度が雪彦や銀次とどの酒から始めるか議論しているとき、蛮の瞳がサングラスの奥で狡賢そうにキラリと光ったことに彼は気がつかなかった――そしてHONKY TONKの娘たちが酒を満たして次々に出してくるショットグラスを、男たちが片っ端から飲み空けていくという方法で勝負することになり、最後に残った者が今回の任務から晴れて抜けることになったのだが――


 心配をする波児に見送られながら、士度は取り合えず行きつけの喫茶店を後にした――カラン・・・と喫茶店のベルが鳴り、昨夜の勝者が扉の向こうに消えたとき――二階に居た夏実が救急箱片手にバタバタと階段を降りてきた。


「士度さん、頭痛薬ありまし――?あれ、もう帰っちゃったんですか?」


やっぱりマズかったかなぁ・・・・――鎮痛剤の箱片手に顔を曇らせる夏実に、「どうしたの?」と波児が声をかければ・・・・・


「実は・・・・・・」


 申し訳なさそうに次の句を告げた夏実の言葉を聞くや否や、波児は蒼い顔をして喫茶店から飛び出した。――しかし先程までの客人は既に路上には見当たらず。


「あちゃ〜・・・・大丈夫かねぇ・・・・・」


 タバコを銜えながら、波児は蛮の策略の犠牲になったビーストマスターに心からの同情を寄せた――セコイ手を使いながらも勝負に負けた蛮も蛮だが、アルバイトの女の子達の再教育も今更ながらにしなければならないようだ。

後でマドカちゃんにもちゃんと謝っておかないと・・・・・――そんなことを思いながらクルリと踵を返した波児の目の前に――喫茶店の扉の真横に張られたポスターが飛び込んできた。

『音羽マドカ〜チャリティブランチコンサート〜』

日付は――

「今日だ・・・・・」

 ブランチコンサートと言ったら、昼時に催されるコンサートじゃないか・・・・――波児はもう一度士度が消えた方角に視線を移し――同情を隠せない眼差しをサングラスの下から覗かせると、困ったように頭を掻いた。









「あ、ママ〜!!パパこんなところにいたわよ――!!パパ、パパ・・・!!おーーきーーてーーー!!」


「――〜〜ッ!!」


 何の前触れも無しにいきなり響いてきた娘のキンキン声に、屋敷に戻るなり倒れこんだ書斎のカウチソファで気を失うように眠ってた士度は手酷い頭痛を叩きつけられた。

ヤダ!!パパったらもう・・・・お酒臭い〜!!――琴音の高音に打ちのめされるように、士度はズキズキと痛む頭と共に再びソファに沈み――そのまま毛布を被って寝の体勢へ。


「――!?パパ!!駄目じゃない二度寝したら!!ほら・・・・ママに怒られちゃうわよ・・・!」


 朝から元気な琴音の声に、士度は頭までスッポリ毛布を被ることで大人げなくもささやかな抵抗を示した――頭から爪先までビッシリとアルコール漬けの今の自分に必要なものは・・・恐らく何にも増して睡眠だ。それにまだ・・・・


「・・・・琴音・・・今、何時だ・・・・」


「もう七時半よ!!早く起きないと・・・・・」


帰ってからたったの二時間しか経っていないじゃないか・・・・――夜のコンサートまでにこの体調を整えるにはやっぱり深い眠りが必要だ。


まだ・・七時半だ・・・・頼むから昼前までこのまま寝かせておいてくれ・・・・今夜のコンサートには・・・・」

「〜〜!!コンサートは11時半からですよ、士度さん・・・・・!!昨夜なかなか帰ってこないと思ったら・・・こんなになるまでお酒を・・・・」


予定があるのを知っていてどうしてこんなに飲んでくるんですか!?――琴音の高い声に続いて唐突に飛び込んできたマドカの落雷寸前のその声に、さすがの士度も飛び起きた。マドカは確かめるように夫の顔や体躯に触れてきたが、どうしても香ってくる濃厚な洋酒の匂いにさすがに顔を曇らせる。


「11時・・・半??夜じゃなかった・・・・のか!?」


 士度がまだはっきりと開いてくれない両目で妻と娘を見やると――二人はもうすでにフォーマルなパーティードレスに着替え済み。士度は思わずガクリと頭を垂れ――夕方まで訪れることのない安息の時間が絶望的に遠いことを悟った。


「・・・・・ブランチパーティーが付いたチャリティコンサートだって・・・同伴してくださるって・・・三ヶ月前から約束してたじゃないですか・・・・。9時半には出発しないと間に合いませんよ?」

――早くシャワーを浴びてきてください・・・!


 マドカは士度のシャツに顔を寄せながらもう一度眉を顰めると、士度の手を引っ張って立ち上がることを促した――妻にされるがままに士度は渋々と腰を上げるが――頭が上へと上がる度に嫌に響く頭痛に思わず漏れる小さな呻き声。

そんな彼の様子を少し心配するように覗き込んできたマドカに、士度はなんでもないと小さく返すと、そのまま重い足取りで――シャワールームへ向かうべく書斎から出て行った。

そして彼と入れ替わりに――真紅のリボンタイとフォーマルスーツを子供ながらに着こなした士音が廊下を気にしながら入ってきた。


「・・・・・?父さん、どうしたの?さっき廊下ですれ違ったけれど妙に具合が悪そうだったよ?」

お酒の匂いがしたけど・・・・まさか二日酔い?――士音の問いにマドカは溜息混じりに頷き、琴音は「せっかくのパーティーなのに・・・・大丈夫なのかしら?」――と半ば呆れモードだ。


「士音・・・・父様、普段はドライヤーを使わないけれど・・・・今日は士音がかけてあげてね?お出掛けまでもうあまり時間がないし・・・これから父様はシャワーとお着替えと朝ごはんが残っているのに、あんな状態だと母様心配で・・・・」


 マドカの言葉に、士音は気がついたように頷くと、一足飛びに両親の寝室にあるシャワールームへと向かっていった。
琴音も士音の後を追おうとしたが、マドカにバイオリンの準備の手伝いを頼まれ――母親の傍に残ることを了承する。


<高々酒を飲んだくらいで・・・・士度があそこまで具合が悪くなるなんて変じゃないか?>


 レッスン室に行く途中、シベリウスが心配そうにマドカを見上げれば、そうね・・・・――憂慮の声が返ってくる――マドカは通りすがった執事に士度のスーツの用意を頼むと、とりあえず娘と一緒にコンサートの準備に専念することにした――演奏会が終わった後のパーティーの席では、いつもの元気な彼を感じられることを、どこか心配そうに祈りながら。





いつから自分はこんなにも酒に弱くなってしまったのだろう――目と酔いを無理矢理にでも醒ますために冷たいシャワーを浴びながら、士度は未だにズキズキと嫌に痛む頭で忌々しげに考えた――少し前までなら――あの面子で高々あの量の酒を飲み比べしたって・・・・こんなに執拗に絡むような悪酔いはしなかったはずだ――考えたくもないが・・・・美堂が言っていたように齢のせいか・・・・?――


 士度はシャワーの水を止めると大きく溜息を吐きながら、濡れた髪を掻き上げた――シャワールームの鏡に映る己の肉体は昔のように――むしろ昔よりもさらに鍛え上げられているように見えるが、肝心の中身はそうではなかったのかと思うと、何とも情けない心持ちになる――全身すらもどこか重く感じながら、腰に適当にタオルを巻いてシャワールームを出ると、すでに息子がハンドタオルとドライヤーを持って鏡台の前で待機していた。


「大丈夫だよ、父さん!今から髪を乾かしてセットして着替えても・・・・・ちゃんと朝ごはんを食べる時間、あるからさ!!」


 士音の頼もしい声に続いて、綺麗にクリーニングされたスーツとタイを持ってきた執事が心配そうに開いた扉をノックしてきた――そして訊くのだ。

「タキシードになさいますか?モーニングになさいますか?」

別の頭痛が士度の眉間に皺を寄せた――不本意ながらも――目の前のベッドが、妙に恋しい気分になった。





「やだ、パパ!!カッコいいじゃない・・・・!!」


 タキシードにスカーフタイプのアスコットタイ、髪は後ろに撫で付けたオールバックの出立ちで現れた士度に、琴音の黄色い声とメイド達の熱い溜息がモーニング・ルームを満たした。そんな周囲の反応に、ようやく準備ができた夫の傍へ駆け寄ったマドカの表情もどこか少し誇らしげ。
一方士度は――相変わらずの頭痛を抱えながら、気持ちやっとのことで席へ着く。屋敷の主の凛々しさに顔を輝かせる女性陣とは裏腹に、寝室で士度の様子を見ていた士音と執事は心配そうに顔を見合わせた――ドライヤーを当てている時の父親は、その風音にすら辛そうだったし、スーツを合わせる手伝いをしたときも――ご主人様にいつもの機敏さはなかったのだ――


「士度様、目玉焼きでもお召し上がりになりますか・・・?含硫アミノ酸システインを含んでおり、アセトアルデヒドと結合して二日酔いの毒性を打ち消す効果があります。肝臓の負担の軽減になりますので少しだけでも・・・・・」


「・・・・・・・・良く分らんが効くなら少し出してくれ・・・・・」


 二日酔い――執事のその言葉を聞いて他のメイド達もようやく旦那様の異変に気がついたようだ――テーブルにはあっという間に珈琲にグレープフルーツジュース、梅干に日本茶――果ては柿に羊羹、チョコレートに味噌汁――恐らくは二日酔い対策に良いと思われるものが所狭しと並べられた。


「・・・・・・・・・・・・」


 士度は目の前に出された妙な取り合わせの朝食を――頭の中では好意と受け取り――取り合えず少しずつ口にしてみる。普段なら出された食事を残すことなどしたくはないのだが・・・・・如何せん今はどうあっても胃が受け付けてくれそうもない・・・・・。
締めは脳を活性させる為に――やはりいつもより多くカフェインをとることに士度は集中した――後で胃がキリキリと痛み出しても、今日一日我慢すれば良いこと――取り合えずは、夕方までこの身がもてば――
 そんな士度の自虐的な考え方など露知らず、相変わらず具合が悪そうな夫の様子にマドカの機嫌の傾斜は必ずしも良いものではなかった――彼だって勘違いすることはある――頭の中でそうだとは分っていても、こんなにも身体が壊れそうなくらいに飲んで帰ってくるなんて――嗜好品の為にこんな無茶をする人じゃなかったのに。


パーティーが終わったら・・・ちゃんと理由を訊かなくちゃ・・・・・――


大事な大事な、貴方の身体――いつまでも元気でいてもらいたいもの・・・・。

マドカがふと漏らした心配そうな溜息に――普段は聡い士度の聴覚も、今日ばかりは機能していなかった。




そしていざ、出発のとき――士度は執事からたっぷりとオー・ド・トワレを振りかけられた。普段はつけてもコロン程度の香りしか身につけない士度には少々きつい。


「・・・・・・ちょっと香りがしつこくねぇか・・・?」


士度はタキシードから香るトワレの匂いに顔を顰めた。


「いえ、これですっかりお酒の匂いもとれました・・・!トップ・ノートはフレンチ・セージ、フレンチ・ラベンダー、イタリアン・ベルガモット等の清々しく爽快感溢れる香りで、ミドルはイタリアン・イリス、ココア、アンバー等モダンで凛々しい甘さがとても魅力的に香るはずです。ラストはウッディ・ノートの芳しくエキゾチックな香りがほんのりと漂い、士度様の高貴さをエレガントに演出するのにはぴったりかと・・・・!!」


士度様のイメージにピッタリの香りでしたのでいつか活用していただこうと・・・・用意しておいてようございました!!――透明なボトルに入った薄い琥珀色のトワレを手に――執事は士度の襟元を正しながらかなりご満悦の様子。


「・・・・・すまねぇな・・・・」


 執事の説明の半分も理解できなかった士度であったが――とにかく自分の為に彼が懸命に選んでくれた香りであることだけは、分った。士度がどこか照れくさそうに礼を述べると、控えめながらも心から嬉しそうな笑顔が返ってきた。

「あら・・・・良い香りだわ・・・・」

 士度のコロンは選んだことはあっても、普段彼が身に纏わないトワレには縁がなかったマドカは――彼にお似合いの香りを自分で探し出せなかったことにどこか少し悔しそう。もっとも、そんな彼女の小さな嫉妬心に気がついたのは一部のメイドだけであったが――

 そして士度の頭痛に直撃するような元気で優雅なお見送りの声に送られて――冬木一家は執事の運転で一路コンサート会場へ。リムジンの中で琴音は今日のコンサートでマドカが弾く曲目の楽譜を見ながら、母親と音楽談義に余念がなかったが――父親は腕を組み俯き加減で目を瞑り、終始無言だった。そんな父の様子を士音は心配そうに見つめ――シベリウスと目配せをし合いながら、これから訪れるであろう父の試練に同情せざるを得なかった。







 定刻通りに始まったマドカのコンサートは滞りなく大喝采のうちに終わり――もっとも、前列の貴賓席にいた士度の(優雅な音楽を聴いてはいても)どこか辛そうな様子は、舞台上のマドカに少なからずの危惧を抱かせたりしたのだが――


今日は俺がちゃんと・・・・父さんの事、見てるからさ――コンサートが始まる前にマドカに耳打ちをしてきた息子の頼もしい言葉を信じることで、それでもマドカは演奏に集中することができた。
琴音もめったにない父親の様子に呆れながらも――「お水、持ってくる?」――と父を気遣う娘の声が舞台袖に聞こえてきていた。


 あと二時間弱――来賓の皆様と談笑するなり何なりすれば、彼はやっと・・・・この窮屈な状態から解放されるわけで――コンサート終了後、マドカは直ぐにでも夫の元へと飛んで行きたかったのだが――しかしそこは今日の主役――メディアの取材や主賓への応対等々が邪魔をして、なかなか夫の元へと辿り着けない――

コンサートの終わりに鳴り響いた拍手の中で拾った、彼の大きな手が暖かく鳴らした音に想いを馳せながら、マドカは次々と分刻みの予定を述べていくマネージャーと共に舞台からパーティー会場へと降りていった。






 『音羽マドカの伴侶』――この役割を十一年もやっていると、嫌でも(別に格別な嫌悪はさらさらないのだが・・・・)セレブの顔見知りが増えていく。最初は探偵業を生業としている何処の誰とも知れない変わった御人として見られていたらしいが――付き合の長い一部の名士達から広まった、「音羽嬢の夫君は腕の良いアニマルトレーナーらしい」――そんな実しやかな噂のせいで、士度の存在も動物好きのセレブリティーの間では(本人の希望を飛び越えて)名が通るようになっていた。それに加えて、事実上のオフレコとして――裏家業の仕事の話も、多かれ少なかれ入ってくる――金持ち連中の情報網は侮れない――しかし士度自身の――野性味を持ちながらもどこか静かな高潔さを醸し出している人柄と、紛う事なきその実力も相俟ってか――その内報浸透の節度と公然とした秘密を守ろうとする彼等特有の暗黙の了解は士度にとって必ずしも煩わしいものではなかった。


・・・・それはともかく――なまじ知り合いが多くなると、パーティーこういった場で一人になりたくても、それは叶わぬ現実というが事の流れ。広い会場を処狭しと動き回るウェイターにノンアルコール・ドリンクを頼む前に、いつの間にか誰かが既に士度の手にカクテルを握らせ、いつの間にか彼はマドカと共通の知り合い達に捕まっていると云う訳で・・・・・・。しかも今日は特に富裕層をターゲットにしたパーティーのせいか、在日外国人のセレブも多く、相変わらず慣れない異国言語が士度の頭痛をさらに促進させた。


――士度が他の客人と共に、どこぞの石油王のペットのラクダの自慢話に適当に相槌を打っていたそのとき・・・見慣れぬイタリア系の――士度とそう変わらない年齢の背が高い男性が、親しげに彼の名を呼びながら向こうからやってくる。士度はその場に居たゲストに場を辞す挨拶をとりあえず述べると――見ず知らずの“知り合い”に只ならぬ視線を送った。すると先方は目配せで会場の隅を指定し――半ば士度の背中を押すようにして、他人に声が聞こえない空間へと彼を導いて行った。


<・・・誰だ、テメェ・・・・>

<――!!イタリア語が分るのか!話が早い・・・・>

<片言だ・・・できればコッチの国言葉で願いたいもんだぜ・・・・・ただでさえ今日は・・・・>

「それじゃあ、そうしよう・・・・シド・フユキだろ?仕事を頼みたい・・・・・マーリオから聞いたんだ・・・君は腕が立つ奪還屋だって・・・・・」


唐突な言語の切り替えと、同じく唐突に出てきたマドカの兄弟子の名前に士度は刹那混乱しかけたが――視線の向こうにマドカの姿が映るや否や、このいきなりの依頼者同様に声を潜めた。


「仕事の話はここではマズイ・・・・すぐそこまでマドカが来ている・・・・・・もう少しで聞こえる距離だ。仲介屋を通してくれ・・・・」


 士度の言葉を聞いて男がすかさず取り出したペンとパーティーチケットの半券を使い、士度は仲介屋の連絡先をザッとメモして依頼主に渡した。数年前に――同じくパーティー会場で士度の噂が講じたせいで、彼と所謂“仕事”の話をしたがる輩達が蛇のように纏わりつき、それ以来マドカはこういった席で士度が仕事の話を受けることを(士度自身の為にも)良しとはしなくなっていた。そんな話の片鱗でも出ようものなら――彼女の機嫌は滝の如く急降下、ただでさえ酔って帰宅してしまったこの日に――彼女の逆鱗に二枚も三枚も触れる趣味は毛頭無い。
仕事の話が出たからか、マドカが直ぐ其処まで来ているからか、先程の乾杯と付き合いで渋々と口をつけたカクテルが悪い迎え酒になったのか朝食の珈琲の反動が今になって出てきたのか――士度は頭に加えて胃が搾り取られるように痛むのを感じ、望まぬ冷や汗に身が細る思いだった。


「――Thanks!!これで頚が繋がりそうだ・・・近いうちに連絡させてもらうよ・・・・ときに君、顔が真っ青だけど・・・・俺はオケで会う程度なんだがMrs.オトワって恐妻とは思えな・・・・・・・・」

依頼人は士度から渡されたメモを素早くしまうと、代わりに士度の手に名刺を握らせたのだが――


「――!!マドカとも知り合いか!?じゃあ俺は一寸席を外したって言っておいてくれ・・・・!!」


 そう言うや否や、士度は脱兎の如くその場から消え失せた――男はあっという間にパーティー会場から去っていった奪還屋に驚きを隠せず――

<夫婦喧嘩でもしてたのか――!!>

そんな独り言を言い切る前に、目の前に世界的なバイオリニストがやってきたので、彼は慌てて口を噤んだ。


<この気配は・・・Mr.レオーネ?こんにちは。先程まで夫がこちらにご一緒させて頂いていたと思ったのですが・・・・>


 にこやかな微笑を浮かべながら盲導犬と共に現れた神の耳を持つバイオリニストは、男の目の前で少し気配を探す素振りを見せる――音楽界で其の名を知らぬ者などいない雲の上の存在の登場に緊張した男の視線が、思わずパーティー会場の外へと続く扉に刹那向けられたことを、マドカは敏感にも感じ取った。


<こ、こんにちは、Mrs.オトワ・・・・・ご主人なら恐らく御不浄へ・・・・・・>


そんな男のどこかぎこちない言葉を聞くと、今日の主役は丁寧にお礼を述べながらその場から去って行った。
そして視線の向こうで彼女が――先程の奪還屋と良く似た男の子に何やら話しかけているのを新たな依頼主は目にする――

――堅物だって聞いていたけれど・・・・家では普通に夫君で父親なのかな?

 刹那の会話ではあったが――依頼主は近々仕事を頼む相手の存在に対して不思議と持つことができた好感に感謝した。今日はこれで何とか、パーティーを楽しめそうだ。

 男が知人に呼ばれて会場の中央に向かおうとする途中、初老の男性に声を掛けられた――先程君と一緒に居たMr.フユキは何処へ行ったかね?――会場の外の廊下の方へ行きましたから・・・・恐らくbathroomかと・・・・・――推測を伝えると、初老の男性はお礼を述べながら同じく会場の外へと足を向けた。途中、ウェイターに何かこっそりと耳打ちをしているのが男の目に入る。


意外に人気者なのか・・・・?――妙に顔色が悪かった屈強な奪還屋の姿をもう一度思い浮かべながら男がそんな事を考えていると――先程見たその奪還屋の息子らしき少年が、目の前を去っていったばかりの初老の欧人の後を慌てて追っていくのが見えた――人気があることは良いことだ――男は小さく微笑みながら、声を掛けてきた知人に挨拶をしながら――パーティー会場の一部に溶け込んでいった。





「士音、お客様が父様とお話したいって仰っているのだけれど・・・・父様、どうもお手洗いに行ったみたいなの。ちょっと行って様子を見てきてくれるかしら?」


大人達の会話の輪に入ることなく、琴音と一緒に会場の隅にあるソファに腰掛け大人しくカナッペを齧りながら士度の様子を伺っていた士音は、ジュースを取りに行っている間に父親の姿が見えなくなったのには流石に焦ったが、母親の言葉に素早く反応すると――優雅な人々で一杯のパーティー会場を行儀良く縫っていきながら父親を探しに出口を目指した。父さんの具合、少しでもマシになっていればいいんだけど・・・・・・・。

すると目の前を――見覚えのある初老の紳士が通り過ぎ、自分と同じ方向に足を向けている。

――Mr.ヘルツシュタイン・・・・!?来てたんだ・・・。

自分たちが生まれる前から両親と付き合いがあるこのドイツの名士は、自分のペットの鷹の調教を士度にしてもらって以来、この音楽家の伴侶をいたく気に入ったらしく――しかしながら父親曰く、如何せん話が長い人だ――と・・・・そんな人にただでさえ話下手な父親が特に体調が悪い今日に限って捕まったとなると――


「Mr.ヘルツシュタイン!!待っ・・・・!?」


しかし運悪く――士音は偶然来ていたピアノの先生に捕まってしまい、その行く手を遮られる羽目に。
来週までの課題を延々と述べられた後、ようやく解放されたときには紳士の姿は当然の如く視界にはない。
代わりに目に映ったのは――どこか心配そうにキョロキョロと辺りの様子を伺う、母の姿。
士音はそんな彼女の様子に弾かれたように、今度こそ真っ直ぐに――会場の外を目指した。







――マズイな・・・・


 途中ウェイターから貰った水で、薬草を粉にした薬を胃に流し込んだだけで――感じたことがない嫌な痛みが士度の腹部を覆った。
眩しいほどに輝く大理石で装飾されたW.Cのウォッシュ・スタンドの前で、蛇口の水を全開に出しながら、士度は吐き出せない吐き気と闘っていた――マドカが主役のせっかくのパーティーに、旦那のこんな体たらく――とてもじゃないが会場内では見せられない。早いところ戻って、自分の義務を果たさねば・・・・しかしいくら飲み過ぎたからって何だってこんな状態に・・・・・。

ふと、誰かが足早にこちらにやってくる気配がしたので、洗面台に半ば突っ伏していた士度は慌てて居住まいを正す――もうそろそろ戻らないと、きっとマドカも探して・・・・・・


<ああ、士度君!!こんなところにいたのかね・・・・!!>

<――!!Mr.ヘルツシュタイン・・・・・>


今の状態で相手をするのには一番やっかいな御人が、満面の笑みで目の前に現れた――何故か後ろに――小振りの籠と分厚い皮手袋を持ったウェイターを従えて。
嫌な汗が背中を伝う――パーティーが終わるまで、一時間弱――それまで無事にこの会場を出られる自信が、脆くも崩れ去る音を頭の奥で士度は聞いた。



<孫がね、向こうで有名な合唱団に所属していて・・・・来日公演があるっていってねぇ・・・・ん、もう八歳になったんだよ?丁度マドカのコンサートと重なったものだから、招待状も貰ったことだし顔を出すことにしてね。すると今朝方、孫が連れてきたペットのハリネズミイーゲル君の元気が全然なくて・・・・ホテルに獣医を呼んで貰ったのだが、原因が分らなくてねぇ・・・・それじゃあお祖父ちゃんの知り合いに腕のいい獣医さんがいるから治して貰ってくるねと言って今朝方出てきたんだよ・・・!孫もついて来たがっていたがリハーサルがあってね・・・・・・・どうだね、分るかね?・・・・・!!足に針が刺さっていたのかい!そりゃあ痛かったなぁ・・・うんうん、士度君の薬は良く効くからなぁ!うちのファルケもお世話になったね・・・・!アイツはまだまだ元気に空を羽ばたいているよ・・・・・!>

彼の話のスピードと内容には、相変わらずついていけない自分がいることに士度は思わず自嘲気味な笑みを漏らした。

<・・・・・自爆かよ。>

<ユダンシテマシタ・・・・キミモ、グアイワルイノ?>


――あぁ、最悪だ・・・

皮手袋をはめた片手に申し訳なさそうに小さくなっているハリネズミをのせ、その足に刺さっていた針を空いている片手で器用に抜いた後、士度は常時持ち歩いている塗り薬を小さな患者に塗ってやった――別に獣医じゃねぇし・・・・・――痛みが酷くなったように感じる頭で、そんなことを一人言ちながら。


<終わりましたよ・・・・> <ありがとう・・・・!!これで孫も大喜びだよ!・・・・このことはマドカに内密に頼むよ?パーティー会場でキミにこんなことを頼んだと知れると・・・・またマドカに怒られてしまうからね・・・!>

それはこっちも同じことだ・・・・――そうじゃなくてもこんなに長く席を外したことに対して、もうすでにかなり・・・彼女は機嫌を損ねているかもしれないというのに。
士度はハリネズミをウェイターが持っていた籠の中に返し、分厚い手袋もトレイの上に置いた。ウェイターが恭しくも礼をしたとき――動いたハリネズミの針がその給仕の手を掠め――


「〜〜痛ッ!!」  「――!!危ね・・・・・・〜〜〜ッ!!!」


痛みのあまりウェイターは籠から手を離してしまい、半開きの扉から飛び出し落ちるハリネズミを士度は反射的に受け止めてしまった――素手で。
士音がやっとのことでW.Cに辿り着いたときには丁度、父親の声にならない悲鳴が響いていたわけで――


「――!?士度さんの・・・悲鳴・・・?」


<・・・・・?>


パーティー会場内では唯一彼の妻だけが、夫の不幸な叫びを察知した。

同じく小さく耳を揺らした愛犬に、事の真相を確認してみると――


<ほら、やっぱり今日の士度は変なんだよ・・・・>


シベリウスはマドカと同じように心配そうな眼差しで、奥の廊下の方に頚を巡らせた。









「・・・・・・・で、結局士度君はその場でリタイアしたわけか・・・・・・」


お疲れ様・・・・・――店の奥のソファ席でマドカに心配そうに額にお絞りを当てられている士度に、波児は自ら珈琲を持っていった。
両手を包帯で真っ白にした大黒柱が挙句の果てには帰宅途中の車にまで酔ってしまい―― 一方、HONKY TONKで途中休憩を取っている冬木一家の目の前で・・・・床に正座をしているのは、夏実とレナと蛮の姿。


「・・・・パパに何をしたのよ!」

他の人に気づかれなかったから良かったけれど・・・ミドル・ノートがお酒の臭いなんてかっこ悪いじゃない!!――琴音が三人に向かって一喝すれば、士音は「主犯は絶対コイツだ・・・・」と言わんばかりに蛮のことを睨み付けている。

早く謝った方がいいよぉ・・・・――と銀次が蛮を促せば、一言「うるせぇ!!」と返ってくるだけで・・・彼から事の真相を聞きだすのは難しそうだった。
しかしながら・・・・心底反省した面持ちの夏実とレナから、ポツリ・ポツリと語られた事の顛末は・・・・――



私達がどうしても取れなかったバンドのコンサートチケットを依頼人から貰ったって蛮さんが持っていて――言うこときいたら譲ってくれるって・・・・・お酒の勝負のとき、士度さんのショットグラスにはストレート、他の人のグラスには水割りを入れるように言われて・・・・・――あと、なんか小さな粉の袋を渡されて・・・・士度さんのお酒の中にこれを少しずつ入れるようにって・・・・毒じゃないからって言われたから大丈夫かなって思っていたんですけれど、後で確認してみたら――かなり濃厚な唐辛子パウダーで・・・・・――でも士度さん、そのときは平気な顔して飲んでいたから・・・・まさかこんなになるなんて・・・・・・マドカちゃん・・・?――・・・・・ようするにだ、気がつかなかった猿マワシもマヌケだったってことだよな!?――


「――ッ!!美堂!!テメェ・・・・・――!?」


蛮が最後に当たり前のように付け足した言葉に、流石の士度も全身の痛みをかなぐり捨ててその天敵に掴みかかろうとしたが――


「蛮さん!!暫く士度さんに近づかないで下さい!!」



烈火の如くの高い怒声と、氷のように冷たい視線を蛮に向けて相手(と店内にいた面々)を石化させてしまったいつにないマドカの迫力に、士度自身も硬直しながらストン・・・・・とそのまま大人しく再びソファに沈んでしまった。一方双子は――曇りなき尊敬の眼差しで目を輝かせながら、母親の勇姿に見とれている。
士度は――滲み出てきた別の冷や汗を拭う為、少し温くなったお絞りに手を掛けた――


数分後――珈琲カップが空になった頃、頭痛と胃痛と手の痛みと―さらには呆れ果てて声も出ない士度と共にマドカは怒りを隠さずサッサと喫茶店から出て行ってしまった。


「・・・・セコイ手使った上に負けるなんて・・・・ダサいにも程があるよな!!」


ほら、やっぱり父さんは真っ当に強いんだ・・・・・――今は萎びたライオンのように散々な状態の父親だが・・・それでも士音はそんな父の姿を誇らしく思い――憎き相手に蔑視の視線を送りながら両親の後を追う。


「汚い大人の見本よね!!」


「〜〜!!この小娘!!言わせておけば・・・!!」


琴音がアッカンベーをしながら蛮の事を鼻で笑ったことに、さすがの主犯者もキレかけたが――波児と銀次に立ち上がることすら全力で押さえつけられ、そのまま床と口付けをするはめに。

「――!!あのガキ共には教育的指導を施さねぇとますます調子に・・・・・!!」

「はいはい、まずはコッチの大きなガキが成長してからね・・・・・」「蛮ちゃん・・・・・ホント僕らが惨めになるだけだから・・・・」「・・・・マスタ〜・・・いつまで正座してればいいんですか・・・・」「もう足・・・・・が・・・・・・もうしませんから〜!!」

 一家がリムジンに乗り込んだ後も外にまで騒がしく聞こえてきた大人達の大人気ない喧騒に、琴音はもう一度、リムジンのガラス越しにチロリと舌を出した。

車が動き出したことで、父が小さな呻き声を出す――そんな彼の頭に膝を貸している母親の顔は先程の鬼母神の如き貌とは裏腹に――今日のどの表情よりも穏やかだ。

並んで座る双子は目配せをし合いながら――そんな微笑ましい両親の姿に暖かくなる気持ちを、リムジンが屋敷に到着するまで、こっそりと分かち合っていた。









「・・・・・悪かった。」

タキシードの白シャツを着崩した姿のままで――居間のソファの上で大きな体躯を横たえ、天井を仰ぎながら沈んだ声で呟かれた謝罪の言葉。


「・・・・・?少しは気分、良くなりましたか?」


マドカは柔らかなカーペットの上に膝をつくことで、顔の位置を彼に合わせて優しく微笑んだ。


「・・・・怒っているだろう?」


控えめに――彼が頭をこちらへと向けてきたので、マドカはそっと、慈愛を篭めて――彼の貌に柔らかに触れながら問う。


「何に対して・・・・・ですか?」


「コンサートの時間を間違えてた・・・・」 


「士度さんも勘違いすることがあるんですね?」


「飲んだ暮れて帰って来たしな・・・・・」


「犯人は別にいましたよ?」


「実は・・・・仕事の話も・・・・会場でしちまってたし・・・・・」


「ちゃんと聞こえてました・・・・」


「ハリネズミを・・・・・」


「無事で良かったじゃないですか・・・」


――アナタも・・・・・



そして降りてきた――羽のように心地良い優しい接吻くちづけに、士度の貌にもようやく安堵の表情が戻ったようだった。


二人の唇は軽やかに、戯れるように――互いの愛を拾い合う――


紡ぐ言葉に代わる想いを、確かめ合うように。






居間の扉の向こう側では――睦み合う夫妻の空間に入るタイミングを失った――パジャマ姿の双子と給仕に来たメイドが――熱に当てられたかのように頬を赤らめながら、しばし廊下に立ち尽くしていた――



そして二人は暫しの間――そんな家人の気配に気づかない振りをしながら――


ようやく訪れた安息の時間に、互いの心を委ねていた。








Fin.


表題“hangover”=二日酔い “groober”=素敵な人 という意味でイメージ&ゴロで決めてみました☆
名前だけ登場のマーリオさんは『over the moon, under the sun.』、お喋りなMr.ヘルツシュタインは『over the sky』に登場しています。ちょっとこだわってみたトワレの香りのイメージは日本のメンズに一番合う香りとされている『ディ●ール オム』☆
月窟6543getter@UMI様より『双子物語:二日酔い・パーティー・タキシード士度で表裏』でし・・・・ΣΣ(゚◇゚lll)!!ウラ!?Σ(゚ロノ|┬┴
↑ここ打つまで表話onlyだと思い込んでいて(切腹;;)表に力入れて延々と・・・・orz........
アァアァアァもう本当に申し訳ないです・・・・!!(-人-;
飛ばし飛ばしになりますがコチラの裏ver.はプロット温まった頃にまたいつか改めて(;_ _)人
亀な上これでは・・・・(恥;;)大変失礼致しました!!
今回はご希望通り二日酔いで苦しむセレブなタキシード士度を目指してみました☆
少しでもお気に召して頂ければ幸いです・・・・!!

そしてこれに懲りず・・・(。-人-。) またのチャレンジをお待ちしております・・・!!