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船乗り達の朝は早い――夜明け前の朝霧と共に目覚め、海との会話を始める――木造の甲板の上を慣れた足取りで歩く男たちの足音が、マドカの耳を侵した。
――大丈夫・・・朝の仕事が終わるまで・・・そして朝食の時間が過ぎるまで・・・誰も、ここにはこない・・・
マドカは音から逃れるように掛布を頭から被った。
そう、日が昇るまで・・・欲に染まった獣達はこの船倉にはやってこない。そのうち朝食をもったアンナさんと一緒に誰かがやってきて・・・
遠く、海の男達の声が聞こえる――お願い、来ないで・・・・来ないで・・・・痛いのも苦しいのも、もう嫌・・・―― 一人でいるとき、重く厚い無言の扉を見つめながら繰り返し心の中で反芻する願い事は、ガチャガチャと鳴る鍵を開ける音でいつも砕かれる。そして、乱暴に扉が開けられ――蝋燭の灯りにとともに、暗闇が始まる――
マドカは胎児のように身を丸めながら枕に顔を埋めた。
仄かなラベンダーの香りが、彼女を再び夢の中へと誘っていった――
バタン―――!!
派手な扉の音と共にマドカは叩き起こされ、反射的にベッドの端へと身を逃がした。
そして開かれた扉の向こうから入ってくる、常に無いほど明るい光に目を細める――
「遅れてゴメンね・・・!マドカちゃん!」
――アナタに合う服を探してたらこんな時間になっちゃって・・・・
見ると入ってきたのは厳つい海賊達ではなく、背が高く、手足とバストの美しさを誇示するかのような布面積の少ない衣服を纏った若い女性だった。
そして自分は清潔なシーツの上で、上等な絹のネグリジェを着て・・・柔らかな掛布に手をかけている――あぁ、自分は昨日・・・あの地獄のような船倉から救われて――そして哀しい現実を知らされて・・・・――我に返ったマドカの目頭は自然と熱くなったが、「ハイ!急いでこれを着て・・・!!」と、この船の船医でもある女性から豪奢なドレスを渡され、涙を流す暇さえなかった。
しかもそのドレスというのは・・・・マドカは途方に暮れたようにヘヴンの方を見た。彼女は片手で謝るポーズをとりながら、「ゴメン!!他になかったのよ・・・今日だけ、ね?」――そして無理矢理マドカの寝巻きを脱がせ、彼女の着替えの手伝いに入る始末で。
ドレスに袖を通した後すぐに鏡台の前に座らされ、急いで髪を梳かされている自分の姿を見て、マドカは頬を赤らめながら半ば絶望的な気分になっていた。
「あぁ!もうこんな時間だわ!!急がないと・・・・」
ヘヴンには最早マドカの様子を気にする余裕はないらしい・・・彼女は壁に掛けられている古時計を見るや否や金切り声をだして、マドカを引っ張って無理矢理椅子から立たせ、部屋の外へと連れ出した――
「おや、お嬢さん方!ずいぶんとゆっくりだね?おは・・・・・・・・・・・・・・・・よ・・・・う・・・・・・・・?」
マドカとヘヴンが食堂へ急ぐ中、にこやかに声をかけてきた船員は最初軽快な声で挨拶をしたが――マドカの姿を見るなり声が裏返ってしまった。
それでもマドカはヘヴンに手を引かれながらも――気恥ずかしげに目礼で挨拶を返す――穴があったら入りたい心境とはまさにこのことだ。
それからも甲板の上で船員に会う度に同じように絶句され続け――顔が真っ赤に熱るそんななか、食堂へと続く階段が見えた辺りで唐突にマドカの耳に飛び込んできた、朝日に美しく映える祈りの言葉――
「.........Im Namen des Vaters und des Sohnes und des Heiligen Geistes...............Amen..........」
「ほら・・・!マドカちゃん、早く・・・!!ああ見えても士度クンは意外と時間に・・・・」
その祈りの言葉に惹かれて刹那立ち止まったマドカを急かすようにしながら、ヘヴンは階段を降り始める――彼女に手を引かれるがまま、ドレスの裾を気にしながらもマドカも階段を駆け下りた。
久し振りに聞いた神への言葉は――深い慈しみと想いと――果てない願いが込められてるように、マドカの耳に残像を残した。
「遅せぇ!!時間を守らねぇ貴族の娘なんざ聞いたことが・・・・・・・・・!?」
食堂の一番奥で波児と何やら打ち合わせをしていた士度は、マドカとヘヴンの姿を目の端に収めるや否や声を荒げたが――マドカの格好を目にした途端、言葉を失い・・・・次の瞬間、寄せていた眉間の皺がさらに険しくなった――目の前には小さくなるマドカと、朝食の席に遅れたことを苦笑交じりに詫びるヘヴン――しかしそんな二人の上に、さらなる赫恕の声が浴びせられる。
「テメェ!!コイツにこんなみっともねぇ格好、させてんじゃねぇ!!」
ダンッ・・・・!と木製のテーブルを壊さんばかりに拳で叩きながら、士度は勢いよく立ち上がりヘヴンを睨みつけた。
「〜〜!!何よ!!これって私のお気に入りよ!?確かにこの子には
士度に反論するヘヴンの横で、マドカはますます顔を赤らめ、恥ずかしそうに俯いた――そう、確かにこのドレスは上等なものだ・・・それは見た目にも一目で分かる優れた作品――ただ、マドカにはどうしようもないほど合わないものだった――煌く真紅の生地に、黒い高級レースが所々に華を沿え、大きく開いた胸元にはゴシック調の刺繍と東洋の赤い花が所狭しと飾られ、スカートの裾からは着ている者の身に絡むかのように艶かしくも美しい竜が舞昇る――そのデザインもさることながら、サイズもマドカにとっては絶望的だった。胸元はダブダブ、裾は長すぎ、袖口も捲り上げないと手が見えなくなってしまう・・・・包帯だらけの手でスカートを握り締めながら、マドカは恥ずかしさの余り泣き出したくなる気持ちを懸命に堪えていた。
「似合わねぇもんは似合わねぇんだよ!!お前、着替えてこい・・・!!」
士度はヘヴンに向かって吼えるだけ吼えると、突然その矛先をマドカに向けて一喝した。
マドカは一瞬、ビクリッ・・・と身を震わせると、俯いたまま頬を染めながら――叱られるのを怖がる子供のように呟いた。
「あ、あの・・・・私・・・・お洋服、持っていないので・・・・」
――ごめんなさい・・・・
ただでさえ小柄な彼女の身体は、自分の今の状況を肩身狭く思う声と表情を伴って、ますます小さく見えた――そんな彼女の姿を目の当たりにし、士度は一瞬言葉に詰まる。彼女は昨日まで暗い地下の船倉で監禁され、虐待を受けていた身――着るものはおろか、胸に輝く蒼いペンダント以外は今は銅貨一枚たりとももっていない――苛立たしげな舌打ちが目の前で小さく響き、マドカは怯えるように目を瞬かせた――そしてガタン・・・・と椅子を乱暴に引く音が聞こえた。
「・・・・座れよ。」
その声にマドカがオズオズと顔を上げると――士度が自分の隣の椅子を親指で指している。状況を飲み込めず、マドカは不思議そうに瞬きをした。
「――!!聞こえねぇのか?座れって言ってんだよ・・・!それとも朝飯食わねぇで昼まで船内フラつく気なのか!?」
「・・・・!!は、はい・・・!すみません・・・・」
相変わらず機嫌が悪い士度の声に弾かれるように、マドカは慌てて彼の隣に着席した――彼女が席に着いたのと同時に、パチン・・・と士度の指が頭上で鳴った――すると食欲をそそる柔らかな香りがマドカの鼻を擽った。
どうぞ、お嬢さん――そう言いながらコックがマドカの目の前に置いた木の器の中には、野菜がタップリ入った温かいミルクシチューが湯気を立てて、食べる人を待っていた。カタン、と音を立てて器の傍らに置かれた木のスプーン、目の前には錫のコップに並々を注がれた赤ワイン、焼き立ての柔らかそうなパンも、小皿の上でその黄金色の身体を誇示している。
マドカは躊躇いがちに木のスプーンを手にとった――
隣では相変わらず士度とヘヴンの押し問答が続いている。
「・・・・だから、お前はもうちょっとマシな服持ってねぇのかよ・・・・」
「こんな真夏の船上になんで長袖なんて持ってくるのよ・・・・!大体アレだって箱が偶然紛れ込んでいたもので・・・・他にって言ったって、傷だらけの彼女に今、半袖やホット・パンツなんて着せるわけにはいかないでしょ・・・?」
「オイ、だいたいそんな格好するのお前くらい・・・・・?・・・・・なんだよ、食えよ。」
言い合いをする二人を 、スプーンを片手に逡巡するような面持ちでチラチラと見つめてくるマドカに気づいた士度は、呆れたような声を出した。
自分のことで荒い言葉を交わす二人の隣で物を食すのは何だか失礼な気がしていたマドカはしかし、士度の言葉を聞くや否や慌てたようにスプーンを動かした・・・・
先ほどから自分は、彼のことを怒らせてばかりだ・・・・確かに、朝食に遅れることも、殿方を怒らせることも、貴族の娘がするようなことではない―― 一方、落ち込むマドカの隣で、二人の声は途切れることを知らない――
「・・・・もうすぐ東都の港に着くんだろ?そしたらお前、
当たり前のように、半ば投げやりに、士度は言う。
「ちょっと待ってよ!!私は医療備品の補充しなきゃいけないのよ!?そんな時間無いわよ!それにマドカちゃんだって今が一番体力が無い時期なのよ?
――お供でもなんでも連れて!!
士度の背後に控えていたブラウはヘヴンに八つ当たりのように睨まれて、軽い愛想笑いでそれに答えた。
――俺が行くのかよ・・・・
士度は大きな溜息と共にチラリと波児を見たが、帰ってきたのは――行っておいで・・・――と語るサングラスの奥の優しげな眼差し。
士度は面倒くさそうにマドカの方へ視線を流した――すると彼女は目元にうっすらと涙を浮かべながらシチューを口に運んでいる――士度はそんな彼女の姿に目を丸くし、お頭と船医の遣り取りを静観していた他の船員たちは――ほら、言わんこっちゃない・・・・――あんなに面倒くさそうに言われたら、女の子は傷つくよなぁ・・・――と、マドカに同情の念を禁じえなかった。
――お頭が彼女の機嫌をとりなす為に、さて、どんな台詞を口にするのか―――どの船員たちも一見興味なさげな顔をしながらも、その心内は見事なチームワークでシンクロしている――しかし、肝心の彼の口から出た言葉は―――
「・・・・そんなに不味いシチューなのか?」
――食堂の気温が一気に下がった―――ヘヴンは笑いを噛み殺すためにテーブルに突っ伏して肩を震わせ、ブラウは密かに溜息を吐き、ロートは不思議そうに主人を見つめた――波児が士度の見当違いな反応に耳打ちを持って注意を与えようとしたそのとき、マドカがクスン・・・と愛らしく鼻を鳴らした――
「わ、私・・・・島から連れ出されてから温かいスープを食べてなくて・・・・こんなに美味しいお食事、本当に久し振りで・・・・・」
――おかしいですよね・・・・こんなことで泣くなんて・・・・
周りの人達の意に反した答えが彼女の口から漏れ、その細く、頼りない指が目元の涙を拭った―-気まずい沈黙が場を支配する――この小柄な少女が海賊船の中でどのような扱いを受けてきたかは、彼女の手を覆う包帯と、その痩せた身体、不健康な白い肌、今は艶を失ってしまっている黒い髪を見れば一目瞭然だ。
船の男達の目が自分たちの非力を悔いるように泳ぐ中、
「オイ!泣くほど美味いってよ・・・!!」
ワイン片手に士度が厨房に向かって声を張り上げた。
――ありがとう!お嬢さん・・・・!!
その場の沈黙を吹き飛ばすようなコックの元気な声が食堂に木霊し、――今日は港に寄るだけだから、特別に朝のワインをもうちょこっと、サービスしますよ・・・!――ボーイ達が気をきかせるように船員たちにショットグラスを配って回る―― いつもの活気が再び船内を満たし始めた。
波児は無表情に赤いワインを一気に流し込む士度に穏やかな視線を向けた――場の空気の変わりように刹那、目を白黒させていたお嬢さんも、はにかみながら錫のコップを手にしている――彼女に早く、本当の笑顔が戻ればいいのだが。
士度の機嫌がほんの少し上昇した気配にマドカが内心安堵していたそのとき、小柄な青年が食堂に入ってきた――左目を黒い眼帯で覆い、その身もシンプルな黒装束で身を包んでいる、丹精な顔立ちの青年――その右目の眼光は全ての者を拒絶するかの如く冷たく冴え、彼の右手には鎖がついた銀の
(あ・・・・・・)
マドカは先ほど甲板で聞いた祈りの言葉を思い出した――あの綺麗な声は彼のものだったのだろうか?――その祈りに、無心に全てを捧げるような声音の持ち主は―――
青年は十字架を見つめるマドカの視線に気がつくと、不機嫌そうにそれを懐に納め、マドカを鋭利な視線で睨みつけた――その視線の中に自分の不躾さを咎められているような気がして、マドカは頬を染め、俯く。すると 「范・・・!」――と士度がマドカの隣でその青年の名前らしき声を発し、青年は無言のまま顔をそちらへ向けた。
「東都に着いたら降りる。ブラウと一緒にお前もついて来い。」
「・・・・わかりました。」
椅子から立ち上がりながら言った士度の言葉に青年は目を伏せ、静かに返事をした――そして士度は、食堂を出ようとする士度について行くべきか否か迷うような視線を向けたマドカの頭をポンッと撫でると、「ゆっくり食べてろ」――そうついでのように一言言い残し、双子のお供を従えながらその場から消えていった。
面倒を見てもらっているのに――大した会話も出来ぬまま席を立ってしまった士度の背中を、マドカは申し訳なさが一杯の瞳で見送る。
「・・・・マドカちゃん、ピクルス食べる?」――そんな彼女の視線を遮るような明るい声をヘヴンからかけられ、マドカは意識を半ば無理矢理朝食に戻すことにした。
「・・・・なぁ、何でお頭、朝からあんなに機嫌が悪いんだ?」
――凄ぇ形相で甲板の方に上がっていったぜ・・・?
士度と入れ替わりに入ってきた朝当番の船員が小声で聞いてくる――「そう?」――入り口に近いテーブルでパンを齧っていた遊撃隊のハキムがマドカの方をチラリと見ながらそ知らぬ顔で返事をした。
「珍しく機嫌がいい奴もいるけどねぇ・・・」
そしてその涼やかな視線を、今度は厨房前で水を受け取っている范に流した――「・・・・アイツはいつもの仏頂面だろ?」――不思議そうに言う船員をよそに、ハキムは口元に小さな笑みをつくった――
――お前、ホント、分かりやすい性格してるよな・・・
陽が真上に昇りきる前に――ローレライ号は東都の港に寄航した。
部屋で身体を休めていたマドカは、少し慌しくなった甲板の様子が気になって、あてがわれている部屋のカーテンを少し開いて外を覗いてみる――するとマドカの部屋から少し離れたところで、大勢の人間が列を成しながら、何やら順番待ちをしているようだ。マドカが列の先頭に目を流すと、黒い眼鏡をかけた男性が座る簡易デスクの前で皆何かを記入し・・・・そして小さな、しかし重そうな小袋を貰っている。
皆、何をしているのかしら・・・・?――マドカが窓に身を寄せ、外の様子をもっとよく見ようと身を乗り出したそのとき――コンコン・・・と扉を叩く音がしたかと思うと、マドカの返事を待たずにバタン・・・!と性急に扉が開いた。
「マドカちゃん・・・・!私これから出掛けるけど、一人でも・・・・どうしたの?そんなに窓にへばりついて?」
大きな麦藁帽子を被ったヘヴンの元気良すぎる声にマドカは一瞬固まりながらも、「あの、お外にいる方たちは・・・・」――と言いながら、視線を再び外へと向けた。
「あぁ、あれは・・・例の海賊船で働かされていた東都出身の・・・“奴隷”にされてた人達よ。ああやって連絡先と名前を書かせて、だいたい一ヶ月分の生活費を渡して・・・・開放してあげるの。そうすればその間、身体を癒すなり、次の仕事を探すなりできるでしょ?これからこの船は南都と西都を回って王都まで行って・・・北都の人間は近いから王都で降ろすけど・・・・」
「・・・・私も、王都で降ろしていただけるんですか?」
ヘヴンの説明を黙って聞いていたマドカが徐に口を開いた。
「まぁ、予定としてはそうなるけど・・・・どうして?」
マドカの暗い声にヘヴンは片眉を上げる。
「あの・・・旅のお金さえ貸して頂ければ・・・私は王都の北山にある
――もう誰も身内はいないですし・・・・
消え入りそうな声でそう述べるマドカに、ヘヴンは眉を動かしながら、選ぶべき言葉を苛立ち紛れに探し始める――しかし、「ヘヴンは〜ん!!そろそろ行んと、店混むで〜!」――と言い出した笑師の暢気な声に邪魔され、考えることをプツリと止めた。
「・・・・・私、行かなきゃいけないから、その話はまた今度ね?お昼は誰かが持ってきてくれると思うし、士度クンは夕方には帰ると思うから。何かあったらそこら辺の奴等に言いつければ大抵のことはしてくれるわよ。とにかく・・・!!今はしっかり休んで、体力つけてね?」
一人で言うだけ言うと、ヘヴンは逃げるようにして部屋から出て行った――後に残されたマドカは、一抹の不安と寂しさをその貌に滲ませながら、厚いカーテンを閉じ、ベッドへ腰をかけた。――そして細い腕で自らの身体を抱きしめる。
穢れたこの身がどうしようもなく疎ましかった――純潔を保てなかった自分はもしかしたら、神の僕にすらなれないかもしれない・・・・
そう思うと心は千々に乱れ、四肢から引き裂かれんばかりの痛みが身の内を襲う。
流れ出る涙を拭うこともせず、マドカはベッドに身を預けた――安全なところに身を置いてから、よりはっきりと自覚させられる自分の存在の
――助けて・・・・・誰か・・・・・
海賊船の船倉で流し続けたものと同じ涙が純白の枕を濡らした。
やがて彼女は、自らを眠りへと逃がす――
深く
深く――
その身を全て闇に委ねるように――
「勘弁してください・・・!お頭・・・・!!」
一方、東都の中心街のとある店で・・・・范は今まで誰にも見せたことがないような悲痛な表情で、士度に懇願していた。
「うるせぇな・・・・それじゃあお前を連れて来た意味、ねぇじゃねぇか・・・・ほら、つべこべ言ってねぇで、サッサと着替えて来い!!」
手元に女物のドレスを押し付けられ、范はますます顔を蒼くした――同じくお共として同行してきたブラウにも助けを求めたが・・・・彼は困ったように微笑みながら、ただ首を振るだけ。衣装屋の女主人は心底楽しそうに次から次へと普段使いの衣服や、パーティー用のドレスを出してくる。
それらを目の当たりにして、范は本気で眩暈がしてきた――
「お頭・・・・」
涙声に近い声が士度に慈悲を求めてきたが、彼は一睨みでそれを却下した。
「日が暮れちまう前に船に帰りたいんだ・・・・何着か服着てみせることもできねぇのか、お前は・・・!」
低く、ドスの効いた声でそう言われてしまうと、もう自分にはどうすることもできない――自分が“あの女”と似たり寄ったりの背格好であることを恨みながら、范は半ば絶望的な気分で試着室へと向かった――
――ちゃんとサラシも取れよ!!
今日の彼の台詞は、どこまでも残酷に范の耳を劈いた――
――泣かないで・・・・・・・・・
知らない声が聞こえる――それは悲愴な優しい声。
ペンを巧みに操る繊細な手が、彼女の涙を拭き取った。
――お前は、俺が守るから・・・・・・・・
もう一人・・・・・・・・聞いたことがある声が、彼女の髪を優しく撫でた。
凛と、逞しい声で、マドカを誘う。武骨な指がマドカの頬に触れた。
――おいで・・・・・・――
目の前に差し出された二つの手。
顔の見えぬ二人は、別々の道に立っている。
どちらについていけばいいのかまるで分からず、マドカは今いる場所から動けずにいた――すると、二人の存在は徐々に遠ざかっていき、暝い闇がマドカを覆い始める――走り出そうとするのに、足が――地に張り付いたように動かない――行かないで・・・・・・!!――どんなに叫んでも、彼等との距離は、遠くなるばかり――
やがて奈落はマドカの足元で漆黒の口を開き
恐怖に喰らい尽くされながら、高い悲鳴と共にマドカは堕ちた。
その時――彼女の腕を掴み、永遠かと思われる絶望の井戸から引き上げてくれた
手は――
ダレノモノ・・・?
「・・・・・カ、マドカ・・・・!」
少し乱暴な声に揺す振られながら、マドカは眠りから無理矢理引き戻された――急な覚醒に驚きながらも辺りを見回すと、真っ暗な部屋の中に、オレンジ色の暖かい蝋燭の灯りが揺れている。そして目の前で心配そうに覗き込んでいる彼は・・・・・・
「船・・・・長さ・・・・・・・・ア・・・・・士度、さん・・・・?」
マドカの少し枯れた声に士度は小さく溜息を吐くと、サイドテーブルにあった水差しからグラスに水を注ぎ、そっとマドカに手渡した。
ありがとうございます――まだ少し重たい身体を起こし、小さくお礼を言いながら、マドカは居心地の悪い動悸を鎮めように、ゆっくりと冷たい水を嚥下する。
「大丈夫か・・・・?お前・・・・」
――昼飯も食わねぇで、ずっと眠りっぱなしだったって聞いたぞ・・・・・?
彼女の隣に腰をかけた士度の憂慮の声にマドカは頬を染めながら、やっとのことで――すみません・・・―-と呟いた。
「もう少し・・・・寝るか?」
手持ち無沙汰に戯れに――士度の長い指がマドカの髪を弄んだ。
「あ・・・・い、いえ・・・大丈夫です・・・・!」
目の前にいる男の近さに頬が赤くなる自分を恥じながら、マドカは懸命に頭を振った。
クスリ・・・・と士度が小さく笑う。
「じゃあさ・・・・」
大きな体躯がさらに近寄り、マドカの心臓を跳ね上げる――
「気分転換・・・・・・してみるか?」
彼が流した視線の先には――蝋燭の灯りに影を作りながら、大きな箱がいくつも積み重なっていた。
彼は・・・・・私の中に、彼女を見ていた。
何着もの洋服やドレスを私に試着させ――彼にしては至極真剣な眼差しで――似合う、似合わない・・・・と手際よく次々と服を選んでいった。
私の顔の上に、昨日拾ったばかりの“あの女”の顔を重ねながら――
范は紫色のロングスリープのワンピースを、胸元にあて、狭い船室の中にある小さな鏡を覗き込んだ。
(これは・・・お頭・・・・・・士度様が最初、“似合わない”と仰ったもの・・・・・・)
しかし、最終的に買い求める品物を決めるとき、彼はこのラベンダー色のワンピースもチョイスした・・・・・范が、「それは・・・気に入らないと仰ったものです」と進言すると、主は事も無げに言ったのだ――
――でもお前には良く似合っていた
范は慌てて服を背後に隠した――
「・・・・そんなものを貰って喜ぶなんて、お前もやっぱり
無表情の上に笑みを張り付かせながらいつの間にか背後に立っていた同僚を、范は射殺さんばかりに睨みつけた。
彼の口元が再び、無言の笑みをつくる。
「部下のお供に対してもお礼を忘れないなんて・・・・お頭らしいのかな・・・・?」
服をやや性急に箱に仕舞う范を冷めた目で見ながら、ハキムは溜息混じりに呟いた。
「・・・・お頭にとってこんな服の一枚や二枚・・・・子供に飴玉を与えるようなものだ。」
箱の蓋を閉じた范は徐に立ち上がると、不機嫌な顔をしてハキムの脇を抜けて外へ出ようとするが、彼に手首を掴まれ、進路を妨害される。
「・・・・なんのつもりだ。」
硬く、しかし静かな声が狭い船室に響く。
ハキムは人好きのする笑みで目を細めながら――自然な動作で范の耳元に唇を寄せると、囁くような声を出した――
「なぁ、やっぱりお前も思っているのか・・・・?」
范の眉が胡乱げに上がる――
――お前も・・・・・・
「
――パンッ・・・・・と小気味良い音がハキムの頬を張った。
「貴様・・・・無礼だぞ・・・・・!」
切れた唇に指を当てながらハキムが目の前に視線を流すと――そこにはいつもの青年の姿が、揺ぎ無き眼差しで立っていた。
空の蒼、海の青、太陽の黄金、草原の緑、水の色、柔らかな大地の色、輝く月の銀――選び抜かれた優しく、心地よい色と清楚なデザインがマドカの目に挨拶をし、その上質の肌触りは彼女から感嘆の声を引き出した。
与えた洋服の一枚一枚に袖を通し、素直に感動し、喜び・・・・幸せそうに微笑むマドカの初めての姿に、士度も知らず知らずのうちに目を細めていた――しかし、ふと・・・・彼女の顔に再び影がさした。そして彼女は愁眉と共に哀しげに士度を見つめてきた――
「・・・・?どうした?」
士度は立ち上がり、彼女を覗き込んだ――今にも泣き出しそうな瞳が、そこで揺れている。
「わ、私・・・・こんなに親切にして頂いているのに・・・・・何もできなくて・・・・」
――ごめんなさい・・・・・・
「お前・・・・」
お礼だのなんだのって・・・・昨日からコイツはそんなことを気にしてばかりいる・・・・・――親父殿の教育の賜物か、それとも・・・・この一ヶ月と少しの間の目まぐるしい環境の変化が、彼女に見返りを求めない他者との交流を不安に感じさせているのか・・・・――士度はまるで幼子のようなマドカの思考に危懼を抱きながらも、彼女の小さな手をとると、ゆっくりとその桜色の爪を舐め上げた。
彼の唐突な行動に、マドカが怯えたようにビクリと震える――
「お礼がしたいって・・・・昨日も言っていたよな・・・・?」
捕らわれている指が彼の唇に触れるか触れないかの位置で囁かれ、マドカは恥ずかしさに顔を背けながらも、コクコクと頷いた。
初めて会った彼が・・・・昨日、何度も私のことを助けてくれて・・・・寝る場所も、着る物も、食べる物も、全て用意してくれて・・・・それに報いる何かをどうしても彼にしてあげたい・・・・彼の望みを叶えてあげたい・・・・――そんな子供染みた、しかし切ない願いで彼女の心は一杯だった――それはまるで・・・久し振りに触れた優しさから離れるのを怖がっているかのよう。
「じゃあ・・・・さ?」
身を屈め、耳元で囁いてきた士度の言葉にマドカは目を丸くすると・・・・「それで・・・いいんですか?」――と小首を傾げた。
「ああ、上等だ・・・・」
彼の表情はいつになくご機嫌だ――そんな彼の表情に安堵しながらもマドカは真剣な眼差しで頷くと、最後に残った一箱を抱えながら、衝立の裏へと消えていく。
士度は口元に自嘲気味な笑みを零しながら、困ったように小さく息を吐いた。
「ほら・・・こっちへ来いよ、マドカ。」
「で、でも・・・・士度、さん・・・・私、最後のお洋服がこんなものだとは思わなくて・・・・」
着替えを済ませてからも衝立の奥からなかなか出てこないマドカを、士度はベッドの端に腰掛けながら手招きをしている――「最後に残った服を着て、キスの一つでもしてくれれば・・・俺はそれで満足なんだがな・・・?」――先ほど耳元で囁かれた彼の言葉を頭の中で反芻して、マドカの顔は紅潮した――どうして自分は何も疑わずに了承してしまったのだろう・・・・今、自分が身につけているのは、胸元と腰元だけが辛うじて大きなレースで隠された――肌が透けて見えるほど薄い布地でできた夜着だ。こんな、貞淑さの欠片もない絶望的な格好で殿方にキスだなんて・・・・――マドカが思い描いていた所謂“御挨拶のキス”とは、程遠い構図だ。しかも今の自分は身体中包帯やあて布だらけ・・・・みっともないことこの上ない。
「なんだよ・・・・サイズが合わねぇとか・・・・なんだ、ちゃんと着れてんじゃねぇか・・・・」
「――!!やッ・・・・!」
衝立の裏まで迎えに来た士度に有無を言わさず抱え上げられるようにしてベッドの端まで運ばれて、マドカはそのままチョコン、と士度に膝の上で横抱きにされてしまった。
「ほら、後は・・・キスだけだろ・・・?」
膝の上で消え入りたいほど小さくなってしまっているマドカの頤を、士度はそっと持ち上げた――マドカは驚いたように息を飲んだが――いつもは鋭い彼の眼光が、今は和らいでいることに今更ながらに気がついた――そして思い出されるのは、あの――海の中での、優しい、キス――
マドカは意を決し、瞳を閉じてその柔らかな唇をそっと士度の唇へと近づけていった――彼も、眼を閉じた気配がする――しかし、次の瞬間・・・・・
ゴツンッ・・・・
どうしてそんな角度で攻めてきたのか――士度とマドカの額が派手な音を立ててぶつかり合い、双方共にかなり痛い思いをする羽目に。
「〜〜痛ッ!オイ、お前・・・!!」
「〜〜!!ご、ごめんなさい・・・!もう一度・・・・」
コツン・・・・今度は鼻と鼻とがぶつかり合い、士度は呆れ顔を隠せない。
「す、すみません・・・・!今度こそちゃんと・・・・」
泣き出しそうになりながら、マドカは何度も士度の唇を目指すが、額やら鼻やらに邪魔されてなかなか辿り着けない。
「・・・・・・・」
――士度が絶句する中、試行錯誤の経て漸く彼女は“頭を傾ける”という方法を思いついたようだ――
そして漸くマドカの唇が士度の唇に届いた――フワリとした柔らかな弾力を伝え、彼女の丹花は刹那、士度の薄い唇を捕らえ――そして離れた。
そして彼女は安堵の溜息を漏らし、安心したように微笑んだ。
しかし、目を丸くする彼の口からついて出た言葉は――
「マドカ・・・・お前、もしかして・・・・キスの仕方、知らないのか・・・・?」
触れるだけのキスなど・・・士度にとっては子供のキスだ。
マドカは顔が再び朱色に染まった――そして極まり悪そうに俯きながらポツリと答える。
「あの・・・・私・・・・無理矢理・・・・されたことはあっても、自分から・・・・その・・・・したことはなくて・・・・」
目を伏せながら、彼女は唇を噛んだ――この一月で・・・唇はおろか、この身の全てを海賊達の玩具にされてきた自分は、それまで性的な経験は全くの未経験だった――それが、あの日を境に堕とされ・・・・――
「そう・・・・か・・・・」
マドカが暗い過去に引き摺られそうになった、そのとき――唐突に、しかし緩やかに頤を持ち上げられ――彼の薄い唇がマドカの唇に触れきた。
「・・・・・あッ・・・」
やがて、柔らかく下唇を噛まれ、するりと入ってくる、彼の舌――今まで――そう、あの海賊船の中で無理矢理抉じ開けられ、犯されたキスはどれも、ヒルがその口腔に入り込み、暴れまわるような感覚しかなかったのに――絡まる彼のキスは、まるで心ごと私を攫っていくような、深く、蕩ける
――泣き出したくなるほどの熱い熱が唇から全身へと伝わり、マドカの四肢が震えたそのとき、彼の指が彼女の左胸の桜色の頂を――布越しに壊れ物を扱うかのように触れてきた。
「――― ッ!!」
唇は捕らえられたままで声が出ず、マドカは身を駆け始めた優しすぎる愛撫に涙した。いつの間にか縋るように彼のシャツに手をかけ、躰をゆっくりと渡る愛撫に身を捩じらせ――唾液が交わりあうのも構わず続く濃厚なキスにマドカが翻弄されていると、不意に――士度の長い指がマドカの薄い下着の中に忍んできた――
「ヤ・・・ッ!!」
マドカは小さく悲鳴を上げながら、士度に縋りついた。そして未だ快楽に染まった息の中、恐怖のあまり眼に涙を溜めながら士度に懇願する。
「そこは・・・・ダメ・・・・痛いのは・・・・嫌ァ・・・・・」
海賊達に嬲られるたびに激痛を伴った自分の中心――毎日毎日・・・杭で焼かれる痛みに涙し、その痛みを抱えながら翌日の苦悶を待つ呪われた日々をこの躯のどこよりも記憶している部分――マドカは幼子のように首を打ち振り、震える両手で士度に縋った。
士度はそんな彼女を強く抱きしめると、宥めるように頬にキスを落とし、彼女の白い肌を流れる涙を拭いとった。
「大丈夫だ・・・・マドカ・・・・触るだけだ・・・・・」
痛いことはしない――士度はマドカの首筋に所有の印を落としながら、掠れた声で囁いた。身を拘束されていないマドカにとってその場から逃げ出すことも可能であったが――躰が・・・・痺れたように言うことをきかず、内側に篭る熱がマドカの思考の邪魔をする。
「で、でも・・・・私・・・・アッ・・・・・・」
いつの間にか下着が取り払われ――怯え、戦慄くマドカの唇に、士度はもう一度深い
「――ひ・・・・ぅッ・・・・!あ・・・・ッ・・・」
クチュリ・・・
卑猥な音がマドカの耳を犯す――しかし――監禁されていた頃はまるで快楽を伴わなかったマドカの蜜芯は、今では士度の指に吸いつくようにしっとりと絡みつき、彼の指を愛液でしとどに濡らした。
「や・・・・・あッ・・・・ヤ・・・・ぁ・・・・ア・・・・・な・・・に・・・!?」
(・・・・?この反応・・・・)
士度が乳房への愛撫を強めるとマドカは声にならない悲鳴を上げ、薄く、浅い繁みを掻き分けながら秘核の中心に愛撫を施すと、愛らしくも淫蕩な声音が狭い部屋に響いく。マドカは拠り所を求めるかのように、しゃくりあげながら士度のシャツを力の限り握った――
「あ・・・・っ! ・・・・ダメ・・・アっ・・・・う・・・・・士・・・・度・・・さん・・・・・私・・・・変・・・に・・・・!」
「マドカ・・・・・いい子だ・・・・」
――ア・・・・ッやあ・・・・・・・・!!
士度から与えられた一際強い刺激にマドカは彼の腕の中で大きく震えると、涙を流しながら美しく果てた。
手を伝ってくる零れる彼女の蜜液を、士度は当たり前のようにペロリと舐めとる。
そしてその細い躰を全て士度に預け、慣れない快楽の波の余韻に戸惑うマドカの髪を、士度はそっと撫でた――
「お前・・・優しくされたこと、なかったのか・・・・?」
士度の問いにマドカは力無く頭を振った。
そうだ――彼女のあの反応・・・・快楽を拾うのに慣れていない、まるで処女のような・・・
「だって・・・いつも・・・・痛くて・・・・・・こんなに・・・フワフワする・・・感覚・・・初め・・・・て・・・・・」
――知らない・・・・こんな・・・・私の躰・・・・・
夢と現の狭間でマドカはそう呟きながら、深い眠りへと落ちていく――
「・・・・知らないなら・・・これから全部、教えてやるさ・・・・」
士度は彼女の頬に手を当てながらそう呟くと、彼女の白い手を、カーテンの間から差し込む輝き始めたばかりの月明かりの中でそっと撫で上げた。
そして薄い夜着を纏うマドカにそっと掛布をかけてやると―― 松明の明るい甲板へ、一人フラリと出て行った。
「あ・・・・え・・・・・!?お頭!!」
甲板の片隅で一人、武器の手入れをしていた范は、士度が船の縁に立ち――静かに海に吸い込まれていったのを目の当たりにして、慌ててそちらへと駆け寄った。
見ると、波児とブラウとロートが既にその場にいて、士度が飛び込んだ水面を心配そうに眺めている。
「な・・・・ッ!どうしてアンタ達がいながら、あんな危険なことさせるんだ!?」
范は怒りを隠さず波児に詰め寄ったが、彼は困ったように微笑むばかり。
「熱を・・・・冷ますそうだ・・・・」
紅目のロートが心配そうに海面を見つめた。
「・・・・大丈夫、ここら辺は鮫なんていないから・・・・・」
碧眼のブラウは范に向かって微笑む。
「熱・・・?」
風邪でも引いたのだろうか・・・・?――范はその言葉が意味するところをよく理解できないまま、それでも未だ静かな水面を不安そうに見つめる。
――士度は・・・・体躯を冷やす海の水を多少恨めしく思いながらも、ゆっくりと浮上する重力の中で、体内に篭る熱の余韻を楽しんでいた。
彼女からもらった初めての火照りは――この海に還そう。
彼女と初めて出会い、初めて彼女の柔らかな丹花を味わった――この広く蒼い海原に・・・・。
to be continued....
邦題は“
閑話的な話になりましたが・・・・しかし続きます。次に書くことになるであろう、“目が覚めた後のマドカ嬢”の反応が非常に楽しみであったり。
士度はひたすら我慢の子ですね;范・士度・ハキム辺りの関係も、話の流れ上次回以降・・・。
久し振りでしたので、書くのにやたら骨が折れました;
祈りの言葉の訳は“父と子と精霊の御名において・・・アーメン”
さて、誰が、何を祈ったことでしょう・・・・?
複線回収も大変そうです;